創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 ヒーローになりたい

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「ヒーローになりたい」

 

 地球に行ってヒーローなりたいだって?

 ダメダメ、やめておいた方がいいって。

 地球侵略をもくろむ凶悪怪獣なんかと戦ったら、それこそ一生台無しになるよ。

 この前、地球侵略にやって来た巨大怪獣と戦ったヒーローがいたの覚えてる?

 彼のその後なんて悲惨なものだよ。

 うっかり都心で怪獣と戦っちゃったから、ビルや道路はもうメチャクチャになったんだ。

 その保障問題で、人間たちともめちゃってさ。

 結果として、今後三十年もの間、地球侵略に来るであろう異星人や宇宙怪獣に対して無償で戦い続けなければならなくなったんだ。

 しかも、人間に害を及ぼさない場所を見つけてね。

 でもさ、地球侵略に来る奴らって、どこで暴れるかなんてわからないじゃないか。

 次にまたヒーローが都会を破壊したら、無償で地球を守る期間がまた長くなっちゃうよな。

 ヒーローは、永久に故郷に帰ることができなくなってしまうかもしれないんだよ。

 地球のテレビ番組に影響されて、ヒーローになろうなんて考えちゃ、絶対にダメ。 

超ショートショートの不思議な世界 就活

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「就活」

 

 何だい君たち、コンビニに急に押し入ってきたりして。

 包丁とか手に持っちゃってさ。

 金を出せだって?

 無いよ。

 レジ開けろって?

 ほら、そんなに入ってないだろ、三千円しかないって。

 それでいいの?

 君たち三人だろ、一人千円だぜ。

 しかもその包丁自腹で買ったんだろ、準備する時間だって必要だったろうし。

 この金持って逃げたら一生犯罪者になっちまうんだぜ、千円じゃ絶対に割に合わないだろ。

 だったらこのコンビニで働かないかい、時給千円以上出す。

 夜間は割増、食事付きだよ。

 この方がもっと手早くお金稼げるし、リスクもゼロだよ。

 今人手が足りなくてさ、三人も来てくれると助かるんだよ。

 わかったって?

 よし、じゃ早速ユニフォームに着替えてよ、助かるなぁ。

超ショートショートの不思議な世界 女の願い

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「女の願い」

 

 神様、私は不老不死の両方なんて贅沢は望みません。

 人間いつかは死ぬものですから。

 でも、女ですもの、死ぬまでの間、ずっと美しく若く、そう「フロウ」でいたいのです。

 私の残りの人生は、あと六十年とおっしゃいましたよね。

 その間、今の若さを保ちたいのです。

 不死なんて贅沢は望みませんから、せめて「フロウ」のまま生きていたいのです。

 本当ですか神様、私の願いを聞いてくれるのですか。

 ありがとうございます。

 その日から、私は「不労」でもいいように、お婆さんになり介護施設のベッドの上で暮らすようになってしまった。

 神様の勘違い、許せません!

超ショートショートの不思議な世界 副業時代

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「副業時代」

 

「副業でウェッブライター始めたの」

「私は家庭教師、得意の語学力を副業でも役立てるの」

「将来のこと考えると、会社の収入だけじゃ不安ですものね。女性だって頑張って経済的に自立して、安心して生活したいから副業は大事よね」

「ところでユミはさっきから黙って聞いているけど、何か副業始めたの」

「うん、私ね、今月から主婦始めたの」

超ショートショートの不思議な世界 この橋・・・

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「この橋・・・」

 

 この橋の真ん中に、立て看板があるぞ。

 でも字が小さくて見えないよ、もっと近づいて見てみないと。

 それにしても不親切な立て看板だな、こんなに小さい字で書いてあるなんて。

 思いっきり近づかないと読めないじゃないか、おまけに気になるし。

 なになに?

「このハシ通るべからず」

 なーるほど、このハシ通ったらダメなんだ。

 だから小さい字で真ん中に立て看板を立てたんだね。

 字を読もうと思って、橋の真ん中歩いてきちゃったよ。