創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

ショートショート

ショートショート「ヒールターン(社内バトル小説)」

「ヒロム君、君にヒールターンをしてもらう」 会議室に呼ばれた僕はナガタ営業本部長にそう告げられた。 横でヤマダ人事部長も腕を組み大きく頷いている 。 「察しの良いヒロム君の事だからすでに気がついていると思うが、我が社の極秘プロジェクト IWGP そ…

ショートショート「ある朝、僕は天使になっていた」

朝目覚めたら、僕は天使になっていた。 頭の上には黄金に光る輪、そして背中には翼が生えている。 僕は早速ベッドから飛び降りて白い服に着替えて朝食の支度をしているお母さんの所へ。 お母さんは僕の姿を見てにっこりと微笑んだ。 「さあ学校に行って、今…

ショートショート「黒猫と僕の不思議な関係」(リライトしました)

「ついていないなぁ」「運が悪いよ」なんて、その場の出来事だけで判断しちゃいけないよ。 自分の身に降りかかった出来事を、その時点の点だけで判断しちゃいけないのさ。点はいくつも限りなくあってそれが続いて線のようにつなり人生というものを作り出して…

ショートショート「捕食者」

「捕食者」 6月の、雨が降り続く蒸し暑い夜の出来事だった。 彼は何気なく、いつも餌が下りてくる頭上の扉を見上げた。 少しだけ開いている。しかし餌が下りてくる気配はない。そのはずだ、先ほど食べたばかりなのだ。 試しに鎌首を持ち上げ頭で扉を押すと、…

ショートショート「羊飼いとオオカミ」

「羊飼いとオオカミ」 お腹を空かしたオオカミが、森に一頭で住んでおりました。 彼はもう何日も、まともな食事を取ることができないでいるのです。 現在彼の住む森には、食べるものがほとんど見当たりません。シーンと静まり返って、まるで森が死んでいるか…

ショートショート「この指とまれ」

「この指とまれ」 暗闇の中、僕は覚醒した。 ここはどこなのだ、僕は何をしているのだろう。 時間の経過と共に徐々に体の機能が復活して行く。それに伴い思考回路の混乱は大きくなっていった。 どうしたんだ、何が起こったのだ、情報が全く入手できない。 落…

ショートショート「せんべいの法則」

「せんべいの法則」 ある日、帰宅時の電車の中でその感情は突然俺の脳細胞の中に湧き上がってきた。 「せんべいが食べたい」 少し焦げた香ばしい香り、バリっとした歯ごたえ。口の中でかみ砕くと、バリバリボリボリと心地よい破壊音が脳細胞に直接響いてくる…

ショートショート「山椒魚」

「山椒魚」 山里の清流、さして広くない穴の中に山椒魚が住み着いてどのくらいの時が経過したであろうか。 山椒魚自身に時間を認知する能力が備わっているか否かはわからないが、その大きな体格からしてそれなりの時間が経過していると推測される。 そんな彼…

ショートショート 「イカスミパスタ」

イカスミパスタ よっ、久しぶりだね、元気だった? 今日はしっかり飲もうぜ。 おっ、ここの居酒屋、イカスミパスタがあるじゃないか。 食べようよ、美味いよ。 大将、イカスミパスタ二つね。 あと生ビールの大も2つ追加ね。 イカスミパスタってさ、色は真っ…