私はどうしても結婚したかった。
しかし、私には結婚に対して大きな障害がある。
一つ目は、私が歳をとっている事。
二つ目は、私のスタイルがこの時代には受け入れられないこと。
三つ目は、男性の絶対数が少ないことだ。
でも、私は結婚をあきらめたくなかった。
私だって女である以上、素敵な男性と一度は恋をして結ばれたい。
私は考えた。
沢山の知り合いにも意見を求めた。
そして私が出した結論は、21世紀前半にタイムスリップして結婚するということだ。
この時代には、まだ男性は沢山存在しているはずだ。
そして、私の容姿も魅力的に見えることは間違いない。
私はついに計画を実行した。
21世紀前半の街を私は歩いていた。
確かに男性は沢山いる。
容姿は少しクラシック、能力も今一つパッとしない。
でも、私は構わない。
私に尽くしてくれる男性を、熱烈な恋が出来る男性を探し出して見せる。
私はこの時代では絶対に魅力的な女性に見えるはずだ。
他の女性の数段上を行く自信がある。
私は私の身体を惜しげもなくさらし、そして腰を振りながら歩いていた。
すると早速男が近寄ってきた。
すごい勢いで私の後ろにぴったりとくっつくと、私をあおり始めた。
なかなか激しい求愛行動に、私は嬉しくなった。
私は彼を焦らしてやろうと、全速力で逃げた。
すると彼は狂ったように私を追いかけてくる。
嬉しい。
嬉しい、やっぱりこの時代では私はモテるんだ。
私は猛スピードでカーブに突っ込んだ。
私を追ってきた彼は、カーブを曲がりきれずに壁に激突し燃え上がった。
だらしのない男。
私はそう思いまた歩き始めた。
しばらくすると、別な男が寄ってきた。
私の時代に生物はほとんど存在しない。
すでに機械が地球を支配している。
いや、汚染が進み、機械でなければ地球上で生活できなくなってしまったのだ。
私は100年ほど前に製造された車型機械生物。
車型の体系はすでに古く、地球上にはあまり存在しなくなっていた。
特に結婚願望が強い私にとっては、相手を探すことは難しすぎたのだ。
だが、調べてみると、私と同型の生物は21世紀前半には沢山存在することを知って、私は決断した。
その時代に行こう。
そして彼氏を見つけよう。
私がこの時代にタイムスリップしてきて、いったい私は何人の男に求愛されたのだろう。
しかし情けない男ばっかりだ。
私を捕まえることが出来ないじゃないの。
ちょっと私が焦らしてあげると、みんな自爆してしまうのだから。
あおり運転の車の事故が増えています。
最近、高速道路であおり運転の車を振り切って、自爆に導く赤いスポーツカーが目撃されています。
ニュースを知って、この車を探して爆走する車も激増していますので、
一般ドライバーの方々はくれぐれも注意して下さい。