ログイン 気ままにエンジョイライフ・ドットコム

ブロガー、アフィリエイター、フォトグラファー、マルチクリエイター目指して楽しく生きる!

「いい感じの石ころを拾いに」 宮田珠己 ~趣味って本来無欲なもの、自分の感性に素直になれるものじゃないのかなって考えさせられた

宮田珠己

「いい感じの石ころを拾いに」

 

いい感じの石ころを拾いに (中公文庫)

いい感じの石ころを拾いに (中公文庫)

  • 作者:宮田 珠己
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: 文庫
 

 

本屋でふと目に留まった本です。

そしてそのまま中身も見ずに買ってしまった。

 

著者はエッセイスト。

石ころという、世間一般的にはあまり価値のないものを拾い集める趣味を持っているそうです。

 

石ころの趣味というと、タレントのタモリを思い浮かべますよね。

NHKの「ブラタモリ」での知識は素人の域を超えている。

でも、彼の趣味(?)は石ころでも「鉱石」。

 

この本の著者宮田さんは本当の「石ころ」。

 

石の種類や組成などの知識云々言うよりも、自分にしっくりくるか来ないかで拾い集めるのです。

したがって、拾い集めた世間一般的な価値は無し。

 

でも、趣味ってそのようなものじゃないでしょうか。

一般的な価値よりも自分が楽しめればそれで良い。

本当に好きでなければできませんよね。

 

大人になると、趣味の収集品には絶対に欲が絡んできますよ。

鑑定番組が流行っているのもその影響でしょう。

 

欲に関係のいない、ただ好きなものを集める。

改めて趣味の原点を思い起こさせてくれた本です。

 

文体は、軽妙でユーモアにあふれ、ぐいぐいと引き込まれて行きます。

もっと読みたい、もっと読みたいといった感じ。

 

だから、写真で紹介されている「石ころ」も魅力的に見えてくる。

 

読み進むうちに、自分も石ころを拾いに行きたくなりました。

 

でも、「石ころ」集め、ってなんだかノスタルジックな感じがするんです。

私の年代(60代近辺)の人間だと、多かれ少なかれ子供のころ石ころに興味を持った経験があるはずです。

 

遊びでは石は身近な道具でした。

石けりやけんぱ。

自分のお気に入りの石を見つけて大切にしたものです。

 

また、水切り。

 

一時はまりましたね。

平たい石を見つけてアンダースローで水面に投げ、バウンドさせる。

学生時代には勝手に「全日本水切り愛好会」を名乗り、友人と北海道一周旅行をした際には各地で水切りをしたものです。

 

そういえば、小学校の時に授業で酒匂川の河原に石拾いに行ったっけ。

チャートという意思が、とてもきれいに感じたのを思い出しました。

あと、貝のような化石を含んだ石。

どうしても欲しかった。

そこから、工程の隅に積んであった石炭の中から化石(葉っぱの)を含んだものを探すようになりました(当時の小学校は石炭の達磨ストーブだった)。

 

でも、最近は石を拾う場所もなくなりましたよね。

地面はアスファルトやコンクリートで囲まれてしまった。

 

庭に敷く石や、水槽に入れる石はDIYセンターで売られている。

勝手に石を拾ったら怒られてしまいます。

ましてや投げたりしたら、大問題。

 

変な時代になったものです。


石にも色々な種類があります。

石に関する知識があればより楽しいとおもうのだけれど、宮田さんはそのような知識を前面に押し出すわけでもなく、ただ単に触り心地の良い石を探しに全国を回ります。

 

確かに石にはメノウやヒスイ、水晶など価値のあるものが存在します。

また、磨けば美しくなるものも。

そうです、ダイヤモンドも石ですね。

宮田さんは、時には誘惑に負けることもありますが(人間らしくてかえって好感が持てます)、それでもただの石ころに愛情をもって接している。

 

ひたすら地味に、地味に石を拾う。

その姿は、子供のころの純真な気持ちに通じるものがあるのかな、なんて思ってしまいます。

 

そして、本を読み進みにつれて、自分も「石ころ」集めたら楽しいだろうなと思ってくるから不思議です。

 

先にも書きましたが、子供のころ遊んだ石もそうですが、ただ無心に集めたガラクタ、そして、泥だらけになって作った泥団子を思い出しました。

まだ、金銭的な欲が芽生えなかった頃の気持ちに戻れたのでしょうか。

 

家に閉じこもってばかりいないで、石ころを拾うというのも、重い腰をあげて外出する良い機会になるのではないでしょうか。

 

私だったら、そうですねぇ・・・

やっぱり水切りに適した、丸い平らな石ころをあつめるでしょうね。

しばらくしたら、私もブログで石ころを紹介するかもしれません。

 

宮田さんは沢山のエッセイを書いています。

調べてみたら、だいぶ前に読んだ「う、はうみうしのう」も宮田さんの作品でした。

多趣味な方なんですね。

色々な作品を読んでみたくなりました。

 

ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記 特別増補版 (幻冬舎文庫)

ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記 特別増補版 (幻冬舎文庫)

  • 作者:宮田 珠己
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/07/03
  • メディア: 文庫