創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

140字小説 「妖怪編」

140字小説

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SNSの世界に、140字小説というジャンルがあります。

Twitterの制限文字数が140字、その中で小説を創作しようというものです。

原稿用紙半分にも満たない文字数で、小説が書けるのでしょうか?

現在私も挑戦中です。

 

今回は妖怪物5作をお読みください。

 

「妖怪 竜灯」

ねえ見て、海に光が浮いているわ。地味だけどロマンチックね、何の灯かしら。あちらにもこちらにも。連なって空に浮かんで行くわ。こんな素敵な光景が見られるなんて超ラッキー!

オイオイ、何がロマンチックだ。俺たち妖怪竜灯を見てうっとりしやがって。本当に棲みにくい世の中になってきたもんだ。

 

*竜灯(龍燈、龍灯)は、日本各地に伝わる怪火。海中より出現する。

昔は恐ろしい現象だったのだろうが、現代人が見たら果たして恐ろしく感じるだろうか?

 

 

「雪ん子」

都会の空に雪が舞い始めた。

雪を見ると胸の奥がキュンとなる。

温かく懐かしい気持ち。

今はもう帰れない故郷の雪山、そこに住む素朴な人々の記憶。

私の故郷にもう人はいない。

帰りたくても帰れない。

もう一度、故郷の温もりを味わいたいな。

なぜなら、私は雪の精霊「雪ん子」だから。

 

*雪ん子とは子供の姿の雪の精。過疎化の進んだ現代社会、少し成長した彼女の居場所はあるのだろうか。

 

 

「ジェラートを食べる美女」

色白の美女がジェラートを食べている。

真冬なのに無心に。

アマビエジェラートだって、あなたはいいわね一躍時の人、いや妖怪。

彼女がため息をつき見上げた空には雪が舞っていた。

私の季節がやってきたのに今年はだれも注目してくれないわ。

そう呟きながら雪女はジェラートを食べている。

 

*「雪女」 今はアマビエが時の人、いや時の妖怪だが、ちっとも話題に上らない雪女、嫉妬してるだろうな。

 

 

 「沈丁花」

この花、沈丁花の香りはマジ幽霊だよ、春だから出てくるよ彼女。

ほら出た、見えるかい?

色白の女性の幽霊が庭の隅に立っているよ。

怖がらなくても大丈夫、何もしないから。

言い伝えがあって昔からこの沈丁花の老木が花をつけて香ると彼女が出て来るのさ。

また今年もその季節がやってきたんだ。

 

*沈丁花の怪談話から。彼女も季節の風物になったりしてと思って。

 

 

「桜の精」

私のモテ期終わっちゃったのかな?

桜の木のそばで少女がぽつんとつぶやいた。

満開の桜の花、周りには大勢の人。

だが、誰も桜の木のそばの少女に声をかけない。

よく見ると可愛いのだが、地味なのだ。

彼女はその美貌で多くの男性を虜にしてき桜の精。

でもちゃんと今風の化粧しなきゃモテないよ。

 

*昔は多くの男性を虜にした桜の精、でも当時に美少女も現代人には美しく見えないのでは?

 

お読みいただきありがとうございました。

また次回をお楽しみ。