創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 「俺はネッシーだ」

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「俺はネッシーだ」

 

 俺はネッシー伝説を信じて疑わない。

 誰が何と言おうとネッシーはこの湖に実在しているのだ。

 ネッシーの姿を求めて日々この湖の畔を探し歩いている俺なのだが、残念ながらその姿や痕跡を見つけたことはまだない。

 最近ネッシーの目撃情報が頻発していると話題になっている。メディアも頻繁に取り上げるようになってきた。ネッシーブームの再来だ。

 ブームの影響で湖を訪れる人が増えてきた。今までは俺一人の世界だったのに、湖畔を歩いているときにネッシー探しの人にばったり出くわす時もある。

 そのような中、俺は未だにその姿を見ることができないでいた。こんなにネッシーに恋焦がれているのになぜ会えないのだ。

 わからないことがあるのだが、最近出くわす人は俺を見て必ず大声をあげるし、中には逃げ出す人もいる。

 今日も出くわした人が、俺を指さして大声をあげた。

「ネッシーだ!」

 なに? 俺がネッシーだったのか。