創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 写真地図

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「写真地図」

 

 僕は写真地図を見るのが好きなんだ。

 今日もパソコンのディスプレイに映し出される写真地図を眺めて世界旅行を楽しんでいた。

 ディスプレイには十年以上も前に起こった化学工場の大事故で被害を受けた、広大な立ち入り禁止区域の赤茶けた不毛の大地が広がっていた。痛ましい事故の影響が未だにこの場所では続いている。

 ところが、その赤茶けた大地の中になぜか緑に覆われた地域があるのを発見した。拡大してみると、畑や建物も確認できる。人々が生活をしている集落があるらしい。

 どうしてここだけが?

 聞いたことがある。現代文明を拒絶し続けて生きる人々が住む村が存在すると。

 そう、僕が見つけた場所こそが、現代もなお機械文明が始まる前からの生活スタイルを守り、時の変化を一切受け入れることなく人々が生活をしている村なのだ。

 その村は、現代社会が引き起こした大惨事でさえも受け入れていなかったのだ。