創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 泥のように

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「泥のように」

 パパは私たち家族のために、朝早くから夜遅くまで一生懸命働いている。
 家に帰ってくると、「疲れたー」といってベッドに倒れ込むようにして眠ってしまう。
 今日も夜遅くに仕事から帰ってくると、ベッドに倒れ込んで泥のように眠ってしまった。
 そして気が付くと、パパが寝ているベッドが茶色く泥に汚れ始めている。パパは本当に泥になって眠ってしまったのだ。
 ママはそっとしておいてあげなさいと言うのだけど、泥になったパパの体はだんだん崩れていく。
 次の朝起きてみると、ママは泥になったパパを一生懸命こねていた。そして泥の塊からパパを作ると、日光で乾かし始めた。
 「しっかりと泥をこねて作らないと、乾かしたら体にヒビが入ってしまうのよ、あなたもしっかり覚えておきなさい」
 とママが言う。
 昼過ぎ、泥だったパパは目を覚まして伸びをした。
「ママありがとう、よく休めたよ」
 そう言うと、パパはまた仕事にでかけていった。