創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 軽い気持ちで始めて見たら

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「軽い気持ちで始めて見たら」

 もう疲れたよ、くたくただ。早くこの遊びから解放してよ。
 この遊びがこんなにもハードだなんて。
 しかも、まさかこんなことになるだなんて・・・
「暇だなぁ」
 てことで、僕は散歩に出ることにした。
 その時ふと頭にひらめいたことがあったんだ。この散歩では絶対に右にしか曲がらずに進んで家に戻ってこよう。
 単純な遊びのつもりでスタートしたんだ。
 でも、進むにつれて次第に単なる遊びじゃなくなってきた。僕は真面目にルールを守って、ひたすら黙々と歩くようになってしまったのだ。
 心のどこかでもうやめて帰ろうよと思う僕がいるのだが、その言葉を打ち消して自分で決めたことは最後までやり通すんだという生真面目な僕もいる。その生真面目な僕の方が強いらしくて、体が止めることを聞いてくれない。
 時間がたつにつれて、僕は街中をぐるぐる回りながら家からどんどん離れていくようだ。
「助けてくれ、誰か僕を止めてくれ」
 そして今、僕は見たこともない風景の場所を歩いている。すれ違う人は異様な姿をしているし、話している言葉もわからない。