創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 教育

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「教育」

 大きなあくびをして、思い切り体を伸ばして、ああ今日もよく寝た。
 ちゃんと栄養バランスを考えた食事も用意されているし、よしよし満足。
 さて朝の散歩だ、付き添いを頼むよ。
 いつもの場所で、いつもの顔見知りとすれ違う。
 軽く挨拶。
 おや、あちらから見慣れない顔が歩いてきた。
 付き添っている者もなんだか危なっかしい、まだ新人のようだ。
 時々グイと付き添い用の器具を引っ張る、それじゃ痛いだろう。
 すれ違う時に、心配だから声を掛けてアドバイス。
「お前も若いし、付き添い人も新人のようだ、これからしっかりと根気よく教育するんだぞ、俺だって付き添い人をここまで教育するのに一年以上かかったんだ、頑張れよ」
 若い奴は俺から声を掛けられてよっぽど嬉しかったのか、尻尾を振って
「ワン!」
 と返事をした。