創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 個性の時代

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「個性の時代」

 ある朝起きてみると、僕に尻尾がはえていた。
 狐のしっぽみたいに茶色く太い尻尾だ。
 ズボンがかなり窮屈だったけど、尻尾がはえちゃったのだから仕方がないか。
 街に出ると、こんな現象は僕にだけ起こったわけではないようだ。
 像みたいな耳がはえている人、昆虫のように六本の手足を持った人、魚の尾びれをお尻から出している人。
 みんな大変そうだな。
 それからは人間の体の変化は頻繁に起こるようになっていった。
 今では僕には九本の尻尾がはえている。
 しかしそんなことは気にならないし、隠す必要もない。
 だって現代は個性の多様化が重視される時代、人と同じじゃつまらないでしょ。