創作の森に迷い込んだカエルの話

写真家、小説家などの創作活動にあこがれるカエルが、ふとしたきっかけで富士山の麓にある創作の森に迷い込んでしまったお話

超ショートショートの不思議な世界 潜む

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「潜む」

 ある朝、僕はどうしても会社に行くことができなくなってしまって、ベッドのマットレスの中に身を潜めた。
 これからこの場所で生活することに決めたのだ。
 スマホ一つ持っていれば何とかなるだろう。
 マットレスの中は暗くて、狭くて、ヌクヌクしていて、居心地がよく、心休まる場所だった。
 世の中、僕みたいにどこかに潜む人がたくさん現れているらしい。
 会社の同僚の中には、机の引き出しの中にこもって生活を始めた人や、部長なんかは応接室のソファの中に潜り込んで生活を始めたと連絡がきた。
 こうなってくると、ゴミの収集も大変だ。回収した粗大ごみの中に誰か潜んでいるケースも数多くあるらしい。
 今の世の中、どこに誰が潜んでいるかわからないから注意が必要。
 ほら、そこの空き地に転がっている古タイヤにだって・・・